業務災害での休業補償って何?

業務災害での休業補償って何?

労働者が通勤中に不慮の事故でけがをしたり、仕事が原因で怪我や病気になり、治療のために休業する必要が出たとき、雇主は、その休業中の生活を補償しなくてはいけない、と法律では定められています。労災保険は、この、休業中の補償を賄うことができるように作られたものです。

業務災害とは、労働者が仕事中(業務遂行中)の原因によって 受傷したり、業務で扱う薬品や機器によって怪我や病気を負う事、および、業務そのものにかかわる軋轢(あつれき)や、職場の環境、人間関係などから受ける過度のストレスによって、心の病に陥った場合を指します。

労働基準法では、業務災害で休業が必要になったとき、雇主は休業している間の労働者の経済的な負担を軽減するために休業中の療養費用や、生活保障をしなくてはならないと定めています。労働者が怪我や病気になって働けなくなった原因は、仕事をしていたことによるのですから、雇主側には労働者の安全配慮義務の点からも補償を行う義務があるということです。

これを、雇主個人の資産からすべて賄うとなると、事業所の運転資金にも事欠くことになりかねませんから、国は労災保険で、こうした費用を賄うことができるようにしています。(休業期間4日未満の時は、事業主が全額負担で保証しなくてはならないことになっています。)

労災保険から補てんされる休業補償にはいくつかの種類があります。

ひとつは、療養補償給付で、労働者が業務災害で治療が必要な状態になったときから、治癒するまで(または、死亡によって治療が不要になったときまで)、労災指定医病院での通院、入院治療にかかる費用を現物支給するというものです。

もう一つが、休業補償給付で、業務災害で休業した場合4日目以降から給付されるものです。受傷や疾病によって労働できなくなってから4日目以降、給付基礎日額の60%が支給されるとなっています。実際は、次第に回復して、部分的に仕事が出来たりする場面が出てきますから、状況に準じて次第に金額が変わる場合はあります。休業補償給付は、休業が断続的に中断されても、休業が続く限り、継続して支給されます。