満18歳未満の労働者は時間外・休日労働は原則禁止

満18歳未満の労働者は時間外・休日労働は原則禁止

景気の回復が思わしくない中、定時制高校を選んで働きながら高校生を続ける学生さんも増えています。中には「4年間で大学進学の学費を自分で貯める!」と頑張っている学生さんもいるようです。単位制高校の場合では、週に何日か、働きやすいように、学校に行かない日を組み立てたり、一日中働く日を作ったりしている人もあるようです。仕事熱心なことは良いことですが、労働基準法上、高校生に代表される15歳から18歳未満の人は働くことにも一定の制限がかけられていて、雇主はそれを守らないといけないという決まりがあることはご存知でしょうか?

15歳から18歳までの労働者は、「年少者」といって、まだ、勉学や健康上への配慮から、労働時間について制限がかけられています。その一つが「時間外労働の禁止」「休日労働の禁止」です。年少者は、1週間に40時間以上の労働を科してはいけません。15歳から18歳までの年齢は、体の成長もまだ止まっていません。体が完全に大人になる大事な段階です。また、学びながら働く場合は、勉学のために使う時間も必要となります。そのための時間を確保するという配慮も必要と考えられているのです。ですから、15歳から18歳までの未成年者を1日8時間以上、週40時間以上働かせたり、休日に労働をさせることは、違法となります。たとえば、本人が「経済的に苦しいから、残業させてほしい。」などの希望を出しても、法律上禁止されている残業はできません。ただし、例外として、1日の労働時間が4時間未満の日がある場合、1週間の合計労働時間が40時間を超えない範囲において、1日の労働時間を10時間まで延長することができます。

また、年少者は深夜労働についても制限が設けられています。18歳未満の者は午後10時から午前5時までの間に働かせることは原則禁止です。(15歳の誕生日以降、義務教育期間満了の3月31日までは、深夜8時から午前5時までの時間は労働禁止、と、より厳しくなります。)

年少者の深夜業務については例外があり、16歳以上の男女を交代制で働かせる場合、交代制の職場で行政の許可を取り、30分の深夜業を行わせる時、災害等の臨時の必要があって、労働時間を延長したり、休日出勤が必要になる場合、農林水産業、保健衛生(看護師や介護士など)、電話交換業務の場合、特別に認められることがあります。その場合は、割増賃金が支払われます。