平均賃金の計算方法

平均賃金の計算方法

平均賃金という言葉を聞いたことはありますか?これは、有給の賃金計算や、労災の事故の場合の各種手当、解雇予告手当、減給措置の計算などを行う際に登場するもので、手当などの計算の基礎になります。例えば休業して、その期間中休業手当を支給しなくてはならなくなった時は、「平均賃金×日数」などとして算出することになるわけです。平均賃金の額が大きければ、こうした手当の金額も相対的に高くなるということになります。

法律で「平均賃金は〇〇円とする」というような決まった金額があるわけではなく、通常、上記のような「平均賃金を計算する必要が起こった時」に、その時点で、所定のルールに従って計算がされることになっています。ですから、長い間勤務してきて、昇給などでベースアップがされていれば、平均賃金の金額も、当然、その都度変わってきます。

平均賃金の計算は、平均賃金の算定が必要になる事由が発生した日の「前日から3カ月」の賃金の平均を基礎として計算します。この時の「3カ月」は、カレンダーでいう3カ月であって、日数ではありません。時期によって、うるう年が挟まる場合などでも、90日とか89日とか、91日というようにバラつきが出てきますが、いずれにしても3カ月として扱います。
事由の発生した日、とは、有給や休業の場合なら、休みの初日、労災事故なら事故当日や病気になった日、解雇予告や減給の場合は、その通達が相手に渡された日(意思表示が完了した日)ということになります。

所定の3か月間に労働者に渡された、全ての賃金を基礎として、それを、3か月間の総日数で割り、1円以下の端数を切り捨てたものが平均賃金となります。雇用期間が3か月に満たない場合は、その勤務期間の全日数で計算します。

平均賃金は、生活資金としての賃金を計算するためのものですから、時給制や出来高制などの場合や、たまたま、その時期は欠勤が多かった場合、実際の支給額を基礎にして計算すると、あまりにも低額になってしまうようなときは、平均賃金の最低保証額を計算する補正を行ったり、休業期間がある場合は、その分を控除するなどして、できるだけ生計の実態に沿った金額になるよう調整して利用されています。